未だ。



わたしは
久々に他クラスの友達と遊んだ。

「ちーちゃんがね、」


わたしの眉が少し上がる。

軽く受け流そうと口を開いたけど、
言葉が見つからなかった。

ようやく出た言葉は

そっか。

大切な気持ちを
潰して壊してしまった。

そんなの、そんなの、

言葉を消化してしまった。



そっか。

そうなんだ。

知らなかった。
わたし以外にもあなたに
幸せをもらっている人がいたなんて。

わたしより
幸せをもらっている人がいたなんて。

きっと今頃
わたしよりずっと幸せな気持ちになっている。

その子を思うと
ドロドロと絵の具が流れるように
ゆっくりとわたしの中の何かが
埋まっていった。



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