素直にならないキミのせい。
「あり……が…と。」
澪はティッシュボックスを受け取り、涙だけじゃなくチーンと鼻までかんでいる。
「……そんなに…好きなの?……あいつのこと。」
そう訊くと、澪は首を横に振った。
「…もう、好きじゃない。……悔しいだけ。」
ただの強がりか、本音かはわからない。
「……蓮は、好きな人…いないの?」
……お前だし。
「…あんまり、聞かないよね、蓮の恋バナ。ってか、全然聞かないかも。」
……だってお前だもん。
本人に話してどうすんだよ。
「……ねぇ、蓮訊いてる??好きな人、一人くらいはいるでしょ?」
「………。」
一人くらいって……一人しかいねぇよ。
俺がいつも一緒に自転車乗っけて、登下校したり、
俺がいつも文句も言わず、お前のグチ訊いたり、
俺がいつも困ったお前のそばにいたりするのは、なんでだと思ってんの?
幼なじみだからじゃねぇよ?
……お前が、
澪のことが好きだからに決まってんじゃん、わかれよ、バカ。
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