りすくんと魔法のクローバー~りすねこシリーズ~
次の日の朝。
りすくんは目覚めると共に、身体の重さを感じました。

熱もあるようです。コン、コン、セキが止まりません。

布団から出ようとしましたが、やはり身体が重くて言うことを聞きません。

いつもなら聞こえてくる庭の話し声も、今日は聞こえません。
昨日、四つ葉のクローバーが見つからなかったから、みんな懲りて、来るのをやめたようです。


…どのくらい寝たでしょうか。
いつの間にか、空は暗くなり。静かな夜になっていました。

誰一人会うこともなく、朝昼と寝続け。
静かなこの夜に、今度は眠れません。

りすくんは考えました。
あの日。
クローバーをひとりじめにしていれば。
誰にも渡さなければ。

何かを食べたいだとか、何かが欲しいだとか。
もっと、大切なことはあるはずなのに…

いや、それでも。
大切なことは人それぞれだし。
食べたい、欲しい、それに… 誰かと一緒にいたいと思うことは、大切なことなのかもしれない。

…わからないや。
考えているうちに、りすくんはまた眠ってしまいました。
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