Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~
ベッドから飛び降り朝食の支度を。
スーツに着替えた社長とスエットを着た私が朝食を一緒に食べてるって…何か変!
「社長」
「……」
「大変お世話になりました。私、帰ります」
「駄目だ」
「……」
「此処に居ろ」
「そ、そんなぁ、いつまでも迷惑かけるわけにもいかないですし、私の家も気になります。着替えの事もあるし…それに今日、兄が来てくれるって言ってましたし。もし、具合悪くなったら兄の家に行きますので大丈夫です」
社長の片眉が…上がった。
「兄貴…今日は夜勤じゃねえのか?」
「……」
「ん?」
「今日は…夜勤です」
ばれてる。
「なら此処に居ろ」
「着替え…」
「スエットでいいだろ。外に出かけるわけじゃないし」
「でも、昼に兄が来ます!」
「……」
「一応診察してくれるって言ってましたし」
「仕方ないな。出社前にお前の家に送る」
帰れるんだ。
「あ、ありがとうございます」
「嬉しそうに言うな。ただし、晩、仕事終わったら迎えに行く」
「…はぁ?」
「夜勤の兄貴の所に行けないだろ」
「一人で大丈夫です。もう治ってますから」
「水曜にそう言ってぶり返したのは誰だ?」
「……」
「ちょうどいい。荷物纏めとけ。週末も此処で過ごすんだ」
週末?
私が此処で?
「な、何でですか?」
「今は時間がない。晩にお前の話しを聞いてやるから」
頭が痛くなってきた。
――
―
車で送ってもらい
「9時過ぎになるが荷物纏めとけよ。晩飯はいらん」
「……」
私が反論する間もなく車で走り去って行った。