Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~



ピンポーン

兄貴が来てくれた。

「もう大丈夫そうだな。だけど週末は大人しくしてることだ」

週末…

「お兄ちゃん、今週末は?」

「あぁ、学会で明日から大阪へ行く」

いないのか。

「一応、薬渡しとくから」

「うん。ありがとう」

「無理すんなよ。大人しくしてろよ」

「うん…お兄ちゃん」

「何だ?」

「あのね」

「うん?」

こんなこと兄貴に聞いていいんだろうか?

でも、兄貴は医者だもんね。相談してもいいよね。

「何とも思ってないのにね、同じ人が夢に出て来たり…その人の事が頭にこびりついて離れないのは何で?」

「……」

「その人…いつも意地悪ばかりするんだけど」

「気になるのか?」

「……」

「社長か?」

へっ!

「あ、い、いや…そ、そんな」

「ハハハ…お前ほんとに分かりやすいな。顔真っ赤だぞ」

「お兄ちゃん!」

「ハハハ…そりゃ、やっぱり恋じゃないか?」

「ここ恋?…でも、いつも意地悪ばかりするんだよ。そんな人が好きだったら、私…Mなの?」

「ブァハハハ……ェ、M てか?ハハハ…」

「お兄ちゃん」

いくら兄とはいえ失礼だ。

「悪い、悪い。社長がSかは知らんが、幼稚園とか小学生の時にあったろう。男の子が好きな女の子の気を轢くためにわざと虐めるの…それじゃないのか?」

「社長が?」

「お前は…Mじゃないと思うが」

「……」

「後は自分でゆっくり考えろ、な」

頭をポンと叩いて、帰って行った。


私が社長を好き…

やっぱり…そうなの?

だ、だけど…社長は私を欲しいって言ったけど好きとか言われてない。




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