Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~
「フッ…起きるぞ」
「あっ、は、はい」
「早く支度しろ」
「社長の見てる前で着替えれません」
「今更 恥ずかしがることないだろうに…分かった分かった。外に出てやる。だから早く着替えろ」
バタン!
慌てて、チュニックとジーンズを身につける。
軽くベッドも整えて
「もういいか」
「は、はい」
部屋に入って来て
「お前そんな格好してっと、ほんとガキだな。クククク…」
笑われた。
そうだよな。スーツとスエット姿しか見たことないんだよな。
「荷物は?」
「へっ?」
「だから荷物はつってんの」
荷物…って、何?
「お前は馬鹿か!これから俺の家に行くんだろうが」
「行きません」
「ん?」
片眉が上がり、ギロッと睨まれた。
「行くんだよ」
低い声。
かなり ご機嫌斜めだ。
「もう風邪も治りましたし、これ以上ご迷惑をおかけするわけには」
「風邪なんか知るか」
はぁ?
「じ、じゃあよけい行く必要ありません」
ますます片眉が上がる。
「頑固だな。お前は俺の家でこれから暮らす」
「な、何ですってぇ~」
これから暮らすって…どういう意味よ?
「結婚すんだから一緒に暮らすのは当たり前だろ」
「……」
「とにかく腹も減ったし、今日と明日の分だけでいいから用意しろ」
「……」
「何突っ立ってんだ?お前がしないなら俺がする」
社長がクローゼットを開けた。
「や、止めて下さい。わ、分かりました。よ、用意しますから」
「最初からそう言え」
ほんとに…自己チューだ。
何でも思い通りにしたがる。
まぁ、それに最後まで逆らえない私も悪いんだけど。