Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~
「ん…忘れ物」
へっ…熊五郎?
「連れて行くんだろ。寝言で熊五郎ばかり言ってる」
顔が真っ赤になった。
恥ずかしい!
思い切り子どもと思われてる。
「どうした? 車呼ぶぞ」
携帯でタクシーを呼び
――
―
暫くして 車が来た。
「行くぞ」
荷物を全て持ち
「熊五郎はお前が持て」
熊五郎を押し付け、部屋を出た。
タクシーに乗り込み
何か変な二人だと運転手さんは思ってるんだろうな。
高級スーツに両手に荷物を一杯持った男と、ジーンズに熊のぬいぐるみを持ったガキみたいな女なんて。
考えたら笑けてきちゃう。
「フフフ」
「どうした?」
「い、いえ、なんでも…フフフ」
「気色悪い奴だな」
「すみません」
熊五郎に顔を埋め笑いを堪える。
社長が変な顔して私を見てるのは分かっているけど。
「――に、やって来れ」