Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~
タクシーは会社に向かう。
「社長」
「あぁ、車を取りに行く」
夕べ、会食だったから車を社に置いたままか。
タクシーは会社のビルに着き
「車取ってくっから、此処で待ってろ」
ビルの入口に大きな鞄とぬいぐるみを持った女って…どうよ!
変な人みたいじゃない。
まだ人通りがないからいいけど…
「乗れ。鞄は後部席に入れろ」
熊五郎だけ膝に乗せた。
「家帰る前に朝飯食うぞ」
そういえば、朝食べてないや。
少しお腹空いたな。
いつものホテルのティーラウンジで朝ご飯。
美味しいトーストとサラダ。
さすが有名ホテルだけのことはあるわ。
ただ、私のこの格好は場違いな感じだけど…社長は一向に気にしてないみたい。
コーヒーを飲んで
「そろそろ行くぞ」
さっさと出て行くんだから。
慌てて着いて行く。
車に戻ると
「フフフ…」
「どうした?」
「すみません。でも、助手席に熊五郎が座ってるのが…ベンツに熊のぬいぐるみっていうアンバランスが何かおかしくて…」
「そういえばそうだな」
ちょっとだけ和やかな雰囲気の中、車に乗り込んだ。
一路マンションに向かって走る。