Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~
コーヒーを持って
「どうぞ」
「ん。…お前は?」
「あ、はい」
コーヒーを持って社長の向かいに座ろうとすると、
「こっちに座れ」
横を指し示された。
躊躇してると
「早く座れ」
「はい!」
社長の隣に座る。
「お前、テレビ見たかったら見ていいぞ」
リモコンを渡された。
「あ、ありがとうございます」
でも、土曜日の昼間って何見たらいいのよ。
リモコンをパチパチ替えながら
あっ、衛生で映画。
これ、見たかったラブストーリーだ。
――
―
真剣に見始めた。
――
―
「クッククク…」
へっ? 社長が…笑ってる。
てか、笑うような映画じゃないけど。
画面から社長に視線を移して
「おかしいですか?この映画」
「クククク…おかしいのは映画じゃなくてお前だ」
「えっ?」
「どんだけ映画に入り込んで見てるんだ?ヒロインと同じ顔して見てるぞ」
「えっ?」
「同化してるだろ」
「……」
そ、そうかも知れない。
社長のことすら忘れてたもん。
は、恥ずかしい!
「いいから気にせず見ろ」
「あっ、はい」
映画に注意を向けたが…
隣の社長が気になって、入り込めない。
――
―
でも、暫くすると映画に引き戻された。
――
―
映画が終わり
あ、あれ?
社長がいないよ。
ど、何処行っちゃったんだろう。
って、いついくなったの?
気がつかなかった。
とにかくコーヒーカップを洗う。