Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~
「どっちにしてもお前には大差ないだろ。俺ん家泊まるのも此処に泊まるのも」
そう言われてみればそうかも。
むしろ此処に泊まった方がいいかも知れない。
例え同じ部屋だったとしても、ベッドは二つあるわけだから一緒に寝なくて済むわね。
後は社長様より先に寝ればいいんだから。
「クククク…」
へっ?
「どうかされましたか?何かおかしいことでも」
「い、いや。何でもない」
「……」
「クククク…」
まだ笑ってるし。
何がおかしいんだろう?
「お代わりするか?」
グラスが空になったのを見て
「飲みたきゃ飲んでいいぞ。その方がすぐ眠れるんじゃないのか?」
「……」
ばれてる。
「クククク…」
私はますます赤くなるし。
「どうする?」
「もう結構です」
「クククク…」
「そ、そんなに笑わないで下さい」
「クククク…」
「社長!笑い死にしますよ」
「ハハハ…」
「社長」
涙流さんばかりに笑ってる。
ほんと失礼極まりないわ。
社長から、外へ視線を移した。
月が隠れてるのか海は今、闇の中だ。
「行くか」
飲み終わったのか社長が立ち上がり私の腕を取った。