Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~
月曜日
「社長、具合の方は?」
ん?
具合って…
あっ、金曜日か!
「あ、あぁ大丈夫だ」
ほっとしたような笑顔を浮かべ
「よかった。あ、これ、例の書類です」
書類を俺に渡して部屋を出て行く。
アイツ…心配してたのか?
俺の嘘を真に受けて。
――
―
何故か気分がよく仕事がはかどる。
そして昼飯を済ませて戻ってきたら…
「楽しかったよね」
「そうだな」
「わ~残念だったな。また誘って下さいね」
「あぁ…何なら二人だけで行くか?」
「えぇ~ハハハ…」
「わ、先輩 抜け駆けは狡いっす。我社のアイドルに」
「な、何言ってんですか?アイドルなんかじゃありません」
「どっちかって言ったらペットだな」
「先輩 ひどいです」
「ハハハ…」
アイツを入れて何人かが楽しそうに…
何が二人だけで…だ!
てか、アイツ…あんな楽しそうに笑うんだ。
俺には見せない顔
何か自分でも分からない理不尽な感情に支配されてくる。
お前は楽しく過ごしてんのに、俺は…お前のせいで女も抱けなくなってんのに。
ほんと、責任取ってもらいたい…ん?
責任取らそうか、アイツに…
――
―
ハッ!
俺…今、何考えた?
あ、ありえないだろ、俺が結婚なんて。
だけど…他の女に興味がなくなったつぅことは…
やばいんじゃないだろうか?
欲しいのがアイツだけなんて…まるで取りつかれてるみたいに。
はぁ~
俺…身心ともに疲れてんのかも。
――
―
気がつけばアイツを目で追ってるし。
しかし…アイツは全く気づいてない。
てか、アイツからは『男』という存在が感じられない。
恋人とかはいないんだろうか?