Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~
社長も自分の部屋に戻ってくれた。
ふぅ~
ちょっと一息つける。
今は社長の戯言なんか忘れて仕事に没頭しなきゃ。
なんぼでも帰るのが遅くなる。
さっさと終わらさないと、残業なんて真っ平だ。
それでなくても毎日遅いのに(毎日、残業ちゃ残業よね)
コンコン
「はい」
ドアを開けて入って来たのは…副社長。
「社長は、いる?」
「はい」
インターホンで連絡を入れ
「どうぞ お入り下さい」
「ありがとう」
副社長は、社長と違い優しい。
この会社は大学の同級生である2人が始めた会社。
仲がいいけど性格は正反対だ。
副社長も社長にひけをとらない男前。
性格もいいし、明るいし…私も副社長の秘書になりたかった。
でも、そもそも私を社長秘書に仕立て上げたのは副社長だ。
ほんとにもぅ、責任取ってよね。
「じゃあ、そういうことで」
「あぁ」
ドアが開いて2人が出て来た。
私も立ってお見送り。
「顔色悪いぞ、大丈夫か?無理すんなよ」
私の頭をポンと撫で、笑顔を見せる。
ほんと、よく気が付くし優しい。
「ありがとうございます」
「人聞きの悪い事言うな。こき使ってるわけじゃあるまいし」
しかめっつらで副社長に文句言ってる。
…って充分こき使われてますが!
社長にしたら、こき使ってる部類に入んないのかしら。
「ハハハ…じゃあな」
副社長が出て行った。
――
―
社長も早く部屋に戻ってくれないかな。