Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~



あくる日、朝飯を作らせたら、まあまあまともな物を作った。

ただ、律儀というか一緒にいるのに先に一人で出社すると言い出す始末。

なんとか説得して一緒に行く事に同意したのはいいが、行く前に飲んだコーヒーカップを洗うと言い張る。

「3分下さい」

汚れ物を放置しておくのが嫌な質みたいだ。

ま、それは仕事を見ていても分かるが。

宣言通りに3分以内で済ませるし。

これなら結婚しても確り家庭のことをこなすだろう

あまり家事とか期待してなかったが(なんたって子どもぽいから出来ないのかと思った)仕事同様テキパキこなしていくのを見て思わぬもうけものかも知れない。


車に乗って、

「ペナルティーのキス」

朝、目覚めた時からコイツに触れたかった。

柔らかな唇を味わいたかった。

だけど俺にはありえないことだが手が中々出せず

思わず訳の分からない理由をつけてキスを…

コイツは怒ってたが…

何故か話しが変な方向へといく。

コイツの頭の中は一体どうなってるんだ?

仕事の時はあれだけ理路整然とこなすし話すのにプライベートのこととなると思考回路がおかしくなるのか?

いや、男に免疫がないから社長じゃない一人の男としての俺を変に意識しすぎているのかも。

フッ

男として意識するようになったなら一歩前進だ。

とにかく『絶対結婚する』ともう一度宣言してコイツの頭に植え付ける。

俺の存在が消えないように。

――



仕事中も無意識にコイツを目で追ってる。

頭に心にこびりついてるのは俺の方だ。

だが、俺の性格からか優しい言葉とか態度はとれない。

逆に苛めてしまう。

まるで好きな子を苛めて注意を引くガキのように。

なんか情けない。




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