Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~
俺の口説き方(その五)
コイツは物珍しそうにホテルの中を見回しながら歩いてる。
レストランに入り席に案内され
「社長」
「ん?」
「社長が予約なさったんですか?」
「あぁ、そうだが…それがどうかしたか?」
「い、いえ」
俺には予約出来ないとでも…
あっ、そっか!
いつもはコイツが全部段取りしてたんだっけか。
今までは、別に何処でもよかった。
ただ、ひとときだけの相手だったから。
だけど、コイツは別だ。
コイツが喜ぶ顔がみたい。
席に着いてワインを頼むと
「社長、車です。お酒は」
「大丈夫だ。お前も飲め。今日はお前の快気祝いだ」
「あ、ありがとうございます。じゃあ少しだけ頂きます」
ソムリエがワインを注ぐのを興味深そうに見ている。
ワイングラスを手に取り
軽く乾杯して、晩飯が始まった。
やっぱり嬉しそうに食ってる。
「相変わらず幸せそうな顔して食ってんな」
「だって美味しいですよ」
「そうだな」
コイツの食うのを見てると気持ちがいい。
変に澄ました様子もなく、ぱくぱく食ってる。
晩飯は進んでいき、デザートへ
またデザートを見て、目を輝かせてる。
食べるのが勿体ないとか思ってるのか、暫く眺めて、しかし食べないとまた俺に嫌味を言われると思ったのか一口食べ
「お、美味しい~」
感動してるし。
「ほんとに嬉しそうに食うな」
「はい。嬉しいです。連れて来て下さりありがとうございます」
丁寧に礼を言われた。
「お前を口説くのは美味い物を食わせればいいんだな」
「はぁ?」
「クククク…」
コイツは、ちょっと膨れてるし。
デザートも終わり、レストランを出て