Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~
な、何ですってぇ?
キ、キスが下手?
社長から離れて
「し、社長みたいなエ、エキスパートで、ではありませんから」
ほんとに何て男なの?
「誰も悪いとは言ってない。まぁ、それくらいの方が教えがいがあって面白い」
「お、お、教えがいってお、お、教えてもらわなくても結構です」
ほんと、何を言い出すんだか!
「遠慮しなくてもいい」
遠慮じゃありません!
「まっ、続きは仕事の後だ」
「続きなんてありません」
「クッククク…お前、鏡で自分の顔見てみろ。茹蛸が破裂しそうな顔してっぞ」
茹蛸が破裂って…どんな顔なのよ?
自分の部屋に戻りかけて
「お前、もしかしてファーストキスだったのか?」
「はぁ?ま、まさか」
あんな激しいのは初めてだったけど、それを言う必要はない。
「ふ~ん。可哀相にな」
「は、はい?」
「よっぽど下手な奴だったんだな」
そう一言言って、部屋に入って行った。