Apasionado!～俺様社長様の甘い誘惑～

暫くして

「早かったな」

やっと来てくれた。

「はい」

一日ぶりに会うんだけどなんか懐かしい。

お店じゃなかったら抱き着けるのに！

「ん？どうした」

「あ、いや、何でもないです。車ですか？」

車なら私が運転して帰らなきゃいけないし。

「車は置いてきた。だから、遅くなった」

ﾌﾌｯ 本人としては謝ってるつもりなんだ。

「ドレスはちゃんと出来たのか？」

「はい。大丈夫です」

なんたって後一週間を切ったもんね

「式が２時だから、何時に行けばいいんだ？」

「あ、花婿さんは12時でいいそうです。私は11時迄に入らなきゃいけないんですが」

「ん。お前…前の日に行けよ」

「えっ？」

「金曜日、残業無しにしてやるから、オフィスから直接帰れ」

「いいんですか？」

「あぁ。色々支度もあるだろうし。俺は当日、妹達と行くから」

「あ、ありがとうございます」

最後の日を家で過ごせるんだ。

お母さんも喜んでくれる。

幸せだな。

社長の優しさと、それにこんな美味しいお食事を一緒に食べられて…

「美味いか」

「はい、恭介さんは？」

「あぁ、美味い。お前の飯より美味いな」

「当たり前です。私はプロじゃありません」

比べないでよ。

「でも、俺の口には合ってる」

「えっ？」

それって、褒め言葉だよね。

「ﾍﾍﾍ」

「ん？」

「あ、なんでもないです。ﾍﾍﾍ」

「変な奴」

変な奴と言われても、嬉しいんだもん。

「ﾍﾍﾍ…」