Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~
「き、恭介さん…もう用意しないと時間がないです」
「まだ大丈夫だし」
7時20分だよ。
「駄目です。後片付けありますし。ね?お願いですから」
上目遣いに見ると
「お前…それは卑怯だぞ」
「えっ なにが?」
はぁ~と溜め息をついて
「もういい。さっさと片付けろ」
「は、はい」
手を離してくれたのを幸いに後片付けをする。
優しくなったとはいえ、基本俺様だもん。
忘れちゃいけないわ。
「なにを忘れちゃいけないって」
後ろからまた抱きしめられ、耳元で
「わ、私なにか言いましたか?」
「忘れちゃいけないって言ってたじゃないか?」
声に出してたのね、私。
「んで?」
まさか社長が俺様だって事を忘れちゃいけないなんて言えないし。
「社長を家では恭介さんって呼ぶのを忘れちゃいけないって」
「ほんとに?」
「はい」
コクコク頷く。
「ん。 忘れんなよ」
「はい」
耳たぶを軽く噛んで…やっと離してくれた。
「そろそろ行くぞ」
「はい」
はぁ~
出社するまでに疲れるわ。