Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~



「き、恭介さん…もう用意しないと時間がないです」

「まだ大丈夫だし」

7時20分だよ。

「駄目です。後片付けありますし。ね?お願いですから」

上目遣いに見ると

「お前…それは卑怯だぞ」

「えっ なにが?」

はぁ~と溜め息をついて

「もういい。さっさと片付けろ」

「は、はい」

手を離してくれたのを幸いに後片付けをする。

優しくなったとはいえ、基本俺様だもん。

忘れちゃいけないわ。

「なにを忘れちゃいけないって」

後ろからまた抱きしめられ、耳元で

「わ、私なにか言いましたか?」

「忘れちゃいけないって言ってたじゃないか?」

声に出してたのね、私。

「んで?」

まさか社長が俺様だって事を忘れちゃいけないなんて言えないし。

「社長を家では恭介さんって呼ぶのを忘れちゃいけないって」

「ほんとに?」

「はい」

コクコク頷く。

「ん。 忘れんなよ」

「はい」

耳たぶを軽く噛んで…やっと離してくれた。

「そろそろ行くぞ」

「はい」

はぁ~

出社するまでに疲れるわ。




< 316 / 452 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop