Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~
「クッククク…」
へっ?
顔を上げて社長を見ると、何故か肩を震わせて笑ってる。
「何かおかしい事でも?」
「いや、 美味そうに食うなと思って」
「美味しいです。社長は美味しくないんですか?」
そのわりには食べてるよね。
「いや、美味い」
「そうですよね」
また食べることに没頭する。
――
―
「お前…ほんとに失礼な奴だな」
はい?
私が失礼…って何かしましたっけ?
ただ食べてるだけなんだけど…
「俺をちっとも見ない。食ってる時は凄く嬉しそうな顔してんのに俺を見てそんな顔はしない。…俺は食い物以下か?」
「はぁ?」
意味の分からないいちゃもんを付けられてるんですけど。
「これから俺のこともそういう顔で見ろ」
そういう顔ってどんな顔?
「社長を御馳走を見るような目で見ろって事ですか?」
理解不能だわ。
「まぁ、そういうことだな」
「……」
「それに」
「はい?」
「一緒に飯食ってんのに何で俺を見ない?」
「……」
まさか、仏頂面見ながら食べたって美味しくないなんて口が裂けても言えないし。
「俺を見て食え」
さすが、俺様だわ。
自分が無視されんのが嫌なのね~
「分かりました」
だけど何を話せばいいのよ?