Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~
言いたい事、聞きたい事はたくさんあるけど、此処では聞けないよねぇ。
「お前は好き嫌いとかないのか?」
「殆どありません。社長は?」
「俺もないな」
そんな事すら知らない2人が結婚してどうすんのよ。
気まずい、非常に気まずい。
「デザートになりますが、コーヒーか紅茶どちらになさいますか?」
「俺はコーヒー、お前は?」
「紅茶でお願いします」
今日だけで、どんだけコーヒー飲んだって話しよ。
デザートは…
「綺麗…」
お皿の上はまるで芸術品。
アイスクリームとフルーツとシフォンケーキかしら。
ココアパウダーとブラウンシュガーパウダーで装飾されていて…
「食べるの勿体ないですね」
「じゃあ、食わないのか?」
「た、食べます」
ほんと、いちいち言葉尻を取るんだから。
しっかりデザートも平らげて…美味しかった。
こんな美味しい食事なら、例えこの俺様とでも許せるわ。
食事を終えて
社長の車に乗り込む。
だけど、24の女が運転する車じゃないわね、ベンツは!
初めて運転した時は恐かった。
運転じゃなく、ぶつけたり擦ったりの心配。
何度か運転するようになってやっと馴れたわ。
「シートベルト締めて下さい」
「……」
「じゃあ行きます」
アクセルを踏んだ時