Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~
「お前の家には、この車を置く駐車スペースあるのか?」
「はぁ?ありませんが」
どういう意味?
「じゃあ、まずお前の家まで行け」
「…何でですか?」
何で私の家に行かなきゃいけないの?
「着替えを取って来い」
えっ?
着替えって?
「その後で俺の家に行け」
「あのぅ、何で着替えがいるんですか?」
「明日、会社に行くのに、着たきりというわけにはいかないだろう」
「はぁ、そりゃ着替えますが…って―えぇぇぇぇ~」
「声がでかい」
「あ、すみません じゃないです。私、社長の家に行くんですか?」
また訳わかんない事言い出したよ、社長様!
「当たり前だろ。俺を送ってお前どうして帰るんだ?」
「まだ、電車あります」
「駅まで歩いて電車か?」
「はい。 いけませんか?」
「今何時だ?」
今?
「えっと10時過ぎですが」
「あんな寂しい道をお前一人で歩いて行くのか?襲ってくれと言わんばかりだ」
襲ってって…
そこで駅まで送ってやるとは言わないのよね、やっぱり。
「大丈夫です」
「根拠のない楽観主義だな」
「…じゃあ、社長の家からタクシー呼びます」
「無駄」
「無駄って…」
「一人タクシー乗るのも危険だ」
「タクシーですよ。大丈夫です」
変な心配はしてくれる。
「却下…早くお前の家まで行け」
「し、社長」
「社長命令だ」
親切心出さなきゃよかった。