Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~
「おい」
ほら、おいでなすった。
優秀な秘書の仮面を被り
あくまでクールなポーカーフェイスで
「はい、失礼します」
「書類は出来てるか」
「はい」
揃えた書類を差し出す。
無造作に鞄に入れ
「じゃあ、これから行く」
「はい。いってらっしゃいませ」
取引先と昼食を兼ねた打ち合わせだ。
何でもいい。社長様がオフィスを出てってくれたら…
「3時までには戻る」
3時か!もっと遅くても…いっそ直帰してくれたらいいのに。
「何だ?」
「いえ」
「何か言いたいことでも?」
言いたいこと…帰ってくんななんてまかり間違っても言えません。
ニッコリ微笑み
「無事 話しが進む事を祈ってます」
「お前に言われんでも上手くいく」
…こういう男よ!
グッと堪えて
「いってらっしゃいませ」
私を見て
「そんなに追い出したいのか?」
はぁ?
ふぅ~
何を言っても挙げ足取るんだから!
我慢よ、我慢。
「いえ、お相手をお待たせしてはいけませんから」
「ふん、じゃあ行って来る」
出て行くまで深々お辞儀
はぁ~ 疲れた。