Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~



湯舟にゆったり浸かり

はぁ~ 幸せ…

なんて言って場合じゃないんだよね。

社長のバスロープ姿…色っぽかったなぁ。

…って何考えてるのよ、私。

でも…

あ~駄目だ!

あの人は俺様のどスケベのどSなサイテーの男よ。

騙されちゃいけないわ。

今だって侍女みたいなもんなんだから…

しっかりしろ、私。

疲てるから変な考えが浮かぶんだわ。


「おい」

「おい」

「は、はい」

えっ、な、何?

お風呂場のドアに社長の影が…

鍵は掛けてるから…大丈夫だよね。

「…大丈夫か?」

「へっ?」

「30分以上経ってんのに出て来ないから…」

「えっ 30分?」

「あぁ 倒れてんじゃないか?」

「す、すみません。すぐ出ます」

…心配してくれたの?

「倒れてなきゃいい」

影が遠ざかった。

――



リビングに行き

「ご心配かけてすみませんでした」

「クククク…」

へっ?

「そんな格好してると高校生だな」

「なっ」

考えたら、すっぴんにスエット。

社長にすっぴん曝してるなんて…信じられない!

社長は笑い続けてるし…

もぅ、どうでもいい!


「お前も早く髪を乾かせ」

「……」

乾かせって ドライヤーは社長のプライベートルームだし…他にあるのかなぁ。

「風邪引くぞ…それとも俺に乾かしてもらいたいのか?」

「じ、自分でします」

「即答だな」

何か嫌味ぽく言われてしまった。

「あの」

「何だ?」

「ド、ドライヤーは?」

「さっきのままだが」

「社長の部屋ですか?」

「あぁ…気にするな。さっさと乾かして来い」

「は、はい」

急いで部屋に入りドライヤーをかける。

男の人の寝室に入って何してんだろ。

簡単に乾かしリビングに戻ると、社長はお酒を飲みながら新聞を読んでいた。

「お前も飲むか?」

「い、いえ」

また、目を新聞に

私、どうしたらいいの?

時計を見ると12時を回ってる。

社長が寝るまで待ってなきゃいけないのかしら。

ってほんとに何処で寝るのよ?

所在無さげにぼけ~とお茶(ペットボトルよ)を飲んでいた。



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