Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~
時間はもう4時を回ってる。
「ホテルに戻るか?」
「そうですね、少し疲れました」
「ん。 ホテルでゆっくりするか」
「はい。でも、もうお昼寝は出来ませんね」
今から寝ちゃったら晩御飯に間に合わないや。
「お前、昼寝したいのか?」
「あ、いえ、ただ、あのベランダで寝たら気持ちいいかなって。夜にベランダで寝るのはやっぱり冷えるし、お昼寝ならいいかなって」
ベランダも広く、ロッキングチェアがある。
「お前、ほんとによく寝るな」
「す、すみません」
「まぁ、いいけど…今日は寝るなよ」
「……」
「ん?」
「は、はい。だ、だけど」
「ん?」
信号に引っ掛かった。
左手を取って、指輪にキスし手の甲に口づける。
「あ、明日…朝…早いから早く寝なきゃ起きられなくなります」
意識が口づけられてる手に…
顔を上げて私を見る目が…
ドキッとするほど色っぽい。
思わず顔が赤くなる。
「今日も、お預けか?」
へっ、な、なにが?
そ、それより、その目は止めて下さい。
し、心臓が持ちません。
「し、信号、青になりました」
「ん」
やっと手を離してくれ、前を見てくれた。