Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~
ほんと勝手なんだから
車に乗りシートベルトを締めて。
うん?
何で発車しないの。
「し、社長」
「5分の遅れのペナルティーな」
「はぁ?…ゥン!」
いきなり唇…奪われ。
ち、ちょっと―
社長の胸を叩き…やっと離れる。
「な、何するんですか?」
「キス」
キスって…それは分かってるわよ。
「わ、わぁ!」
いきなり発車した。
「し、社長」
「口紅はげてんぞ」
「だ、誰がはがしたんですか?」
慌てて口紅を取り出し直す。
ニヤニヤ笑いながら
「それでいい」
「……」
顔を背け
「一日でだいぶ成長したな」
へっ、何が?
社長の方に顔をむけると
「キスがだ」
「…なっ!」
何言い出すのよ、このどスケベ社長!
「クククク…」
笑い死にしてよ!
「いつまで膨れてる?」
「膨れてません」
「フッ」
「社長」
「ん?」
頭にあった疑問を口にする。
「社長はいつも食器洗われないんですか?」
シンクはピカピカだった。
でも、カップラーメンとか朝も食べるみたいだし…どうしてんのかしら?
お手伝いさんでもいるのかな。
「自動食洗機」
「…へっ?自動食洗機!あ、ありましたっけ?」
「あぁ」
「…お、教えて下さってもよかったんじゃないですか?」
カップだけじゃなく、朝ご飯の食器…手で洗ったわよ。
それ、見てたじゃない。
「お前、聞かなかったから」
「聞きますか?そんなの」
「今日び、何処の家にもあるだろ」
「うちはありません」
だから金持ちは嫌なのよ。
「それは悪かった。クククク…」