Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~
日常崩壊(その一)
会社のビルの地下駐車場に車を入れて
「行くぞ」
「…はい」
社長の後について会社へ
「おはようございます」
出社して来る社員に挨拶されても社長様は、
「ん」
の一言だけ。
私が社長と一緒に出勤しても誰も何とも思わない。
いつも早朝から晩遅くまでこき使われてるのを知ってるから。
変な噂されないだけマシか。
「社長」
「……」
「更衣室に行きますので」
社長はそのまま自分のオフィスに行き、私は更衣室へ
「はぁ~」
やっと社長様から解放された。
「おはよう。朝からどよんでるわね」
「おはようございます」
「暴君ネロのご機嫌は?」
「先輩、ほんと何とかなりませんか」
「どうしたのよ?」
先輩は副社長秘書
私が唯一社長のことを相談出来る先輩だ。
「何考えてるのか全くわかりません。会話は噛み合わないし、すぐ怒鳴るし、無視するって怒るし」
「無視?あなた、社長を無視出来るようになったの?」
へっ?
そ、そんな尊敬するような目で見ないで下さい。
「む、無視なんかしてません。食事していて食べるのに夢中になってたら、無視したって怒られました」
「ハハハ…」
「先輩、笑い事じゃありません」
「可愛いじゃないの」
「か、可愛い!どこがですか?何か嫌味言うネタ探してるんです」
あれが可愛いなら雨蛙なんかアイドルよ!
「まぁ、頑張って!またお昼に愚痴聞いてあげるから…あの社長様のお守り出来るのは貴女だけなんですからね。ほら、もう行かないとまた携帯で呼び出されるわよ」
先輩の言葉が終わる前に
BuBuBu
携帯が!
発信者は…社長。
「はい」
「遅い」
「申し訳ありません。只今すぐに」