Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~



うん?

あれ?仕事の打ち合わせじゃなかったっけ?

「社長」

「ん?」

「お仕事のお話しは?」

「ん?」

あれ?

「お仕事のお話しで此処に来たのでは?」

私をジロッと睨み

「仕事の話しならオフィスで出来る」

「は、はぁ」

「何も無かったらお茶を飲んだら駄目なのか」

「い、いいえ。そんなことはありません。社長も息抜きは必要ですから」

「…お前もな」

ぼそりと呟いた。

もしかして、さっきの電話のお詫びとかで誘ってくれたのかしら。

へぇ~ちょっとはいいとこもあるのね。

こうして向かい合わせに座って、久しぶりに顔をまじまじ見ると確かにいい顔だわ。

浅黒く掘りが深く鼻筋も通っているし目は少し釣り上がり気味。

髪も襟足に掛かるくらいの長さで一見無造作に見えるけど計算されたカットだわね。

女にモテて当然だわ。

これで性格さえよけりゃ文句のつけようもないけど…この性格じゃあ、顔の魅力が半減しちゃう。

ほんと、勿体ない。


「何が勿体ないんだ?」

「へっ?」

「俺の顔を穴があくほど見てるけど…見惚れてんのか?」

誰が!

「いえ、失礼しました」



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