ガラスの十字架【短編*完結】
僕の脳裏に……
ある男の影がよぎる。
『…あいつか……?まさか、あの男に………!?』
コクン…と
結衣は頷く。
なんで……
なんで結衣がこんなことに……!!
『今…今すぐ救急車呼ぶから!絶対死なせない!!』
僕は震える手で携帯を探した。
その時……
結衣はそっと僕の頬に触れた。
『……蓮…………。』
僕は
力のないその手をぎゅっと掴んだ。
僕の頬からこぼれる涙が…
結衣の身体に落ちる。