ガラスの十字架【短編*完結】


僕は………


結衣の言葉通り、


血で真っ赤に染まった指先で……


「敬礼」のポーズをした。




それを見た結衣は、


嬉しそうな笑顔をみせる。




『………蓮、愛してる。』




その瞬間……


結衣の手は力をなくしてスルリと下に落ちた。




そして


大きな瞳からは涙をこぼしたまま、


目をとじた………




『………結衣?』


結衣の身体は……


もう動かない。






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