好きとごめんのその先に
…なんて醜い顔。
鏡の向こうのわたしは、今にも泣き出しそう。
本物のわたしも、同じ顔なのかな。
“言いたいことがあるならはっきり言えばいいのに”
…きっと、他人にならわたしはそう言う。
向き合っている人物が自分でなければ、今もそう言うと思う。
…なのにどうして、自分自身にはそんな言葉を響かせられないんだろう。
「はぁ……」
ため息をつくと、目の前のわたしも同時に息を吐く。
水道の蛇口を捻り、不満と不安で歪みきった表情を洗い流した。