好きとごめんのその先に


「…で。どうなの?俺、振られるの?」



奏多がわたしに答えを求める。



どこか余裕ぶった、穏やかな表情。




…悔しい。



わたしの気持ちを見透かされているようで、何だか素直に答えたくない。






……とは言っても、やっぱり自分の心に嘘はつけなくて。




「ふ…振られないよ」



精一杯の抵抗で、こんな言葉を返す。
< 12 / 428 >

この作品をシェア

pagetop