好きとごめんのその先に


眉尻を下げて、奏多が笑った。



さっきの冷たい微笑みとは違う、いつもの表情。



「奏多…」



釣られてわたしの口角も上がった。




窓から入る光が、奏多の髪をより明るく照らす。



その色は、オレンジよりも明るい。



わたしの目を掠め、この胸をきゅうっとさせる。







「ゆりちゃん、あのね」


「?」



一息ついて、奏多が話を切り出す。





「俺、もう“何があった?”なんてきかない」


「え…?」



奏多の言葉に、またドクンと、胸がざわめいた。
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