好きとごめんのその先に
「マジで?本当に?ゆりちゃん、俺なんかでいいの?」
「……」
……何よそれ。
自分から言ってきたくせに。
まだわたしに言葉を求めるの?
「……奏多じゃないと嫌」
流されるわたしもわたしだ。
思わず口が開いてしまう。
奏多はいつもこう。
わたしの一歩前にいる。
「ありがと、ゆりちゃん!大好きだ!」
「わっ!」
ふわっと、暖かい温もり。
ぎゅっと抱きしめられていることに、すぐに気付いた。
自然とわたしの腕も、奏多の背中に回る。
結局、奏多の手のひらで転がされた気がするけど…
…それさえも許してしまえるくらい好きなんだから、もうどうしようもないや。