好きとごめんのその先に
犬猿の仲


―――――――――


「おはよう、ゆりちゃん!!」
「おはよう、夕梨亜」


「…お、おはよう」



あれから1か月。



…今に至る。





忠見さんはあれ以来、週に何度か泊まるようになり、泊まらなかった翌朝もわざわざうちまで来るようになった。



奏多は忠見さんに関して何も言ってこなければ、わたしも細かいことまで報告はしなくなったし、忠見さんも何も手を出してこない。



…みんな、暗黙の了解というやつなのだろうか。



平穏に時が進んでいるというか…

これでいいのかなって、時々心配になる。






「邪魔をするな。今日は俺が夕梨亜を車で学校まで送る日だ」


「ちげーよ、今日も俺と一緒に歩いて登校するんだよ!」


「何だと。子供のくせに生意気な」


「何だよ。大人のくせに子供と張り合ってんじゃねぇよ」


「はぁ?」


「あぁ!?」




…2人の相変わらずのやりとりは、毎日のこと。



慣れてしまった自分が、時々嫌になる。
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