好きとごめんのその先に
「どうしたの、怖い顔して?」
「へ?」
聞こえた声と同時に、ひょっこり顔を出してきたのはエナちゃん。
「なにボーッと立ってんの?座りなよ」
「あ、うん」
どうやらわたしは教室のドアの前で突っ立っていたらしく、エナちゃんに笑われてしまった。
「ねね、今日も奏多くんと一緒に来たの?」
「うん」
「そっかそっか、いいなぁー。わたしも彼と来たんだよ」
「そうなんだ。仲良しだね!」
「うふふ」
席に着いた途端、エナちゃんが頬を染めて楽しそうに話をする。
彼女は、えくぼが何とも可愛らしい。
どうやら最近彼氏ができたようで、よく話を聞かせてくれる。