好きとごめんのその先に
「夕梨亜ちゃんは春から短大だっけ?」
「え!?…あ、うん…!」
突然振られた話に、思わず焦ってしまった。
進路のことをきかれたら、返事はいつも“短大”。
一応本当に受かっている短大があるから、嘘はついていない。
春からの予定はまだ分からないから、みんなには適当に言っている。
「エ…、エナちゃんは進学だったっけ?」
「うん!専門学校に行くの。彼も同じなんだよ!」
「へぇー、春から楽しみだね!」
「うん!!」
わたしの話をそらすためにエナちゃんの話題に切り替えると、彼女はまた嬉しそうな表情。
元気ににこにこ笑う彼女は、恋する女の子って感じで、すごく可愛い。
わたしもこれくらい素直になれればな…
「おーい席に着けー。ホームルーム始めるぞー」
ガラッと開いた前のドア。
担任が入ってくるのと同時にチャイムが鳴ってホームルームが始まった。