好きとごめんのその先に
二人の時間
ガラッ―――
「ゆりちゃん帰ろーっ!!」
「っ!?」
一日終わって、突然の元気な声。
帰りのホームルーム終了のチャイムが鳴ってすぐ、教室の前のドアが開いた。
「…また葛原か。これで何度目だ。うちはまだ終わっていない。廊下で待っていなさい」
突然入ってきた男に、担任の先生はついに呆れ顔。
もう何度も起きているこの状況に、クラスのみんなもわたしと奏多を交互に見て笑っている。
「マジ?仕方ねぇなー…」
悪びれる様子もなく、廊下へと立ち去る奏多。
こんな光景に、わたしも恥ずかしいを通り越して呆れるばかり。
「面白いね、奏多くん」
「…ははは…」
エナちゃんの言葉に、わたしも思わず苦笑。
…面白いっていうか、バカなだけでしょ。