好きとごめんのその先に
「しかし、あの男も少しはいいところもあるんだな」
「え?」
わたしから腕を解きベッドにごろんと寝転んで、奏多が言った。
「クリスマスはお前に譲るよ、だってさ」
「忠見さんがそう言ったの?」
「そう。今朝ね」
「へぇ…」
朝は喧嘩していたはずなのに…
結局2人って、仲がいいんだか悪いんだか。
「…何か罠だったりして?」
ぼそっと、鼻で笑いながら呟く奏多。
「まさか」
わたしも同じように笑った。