好きとごめんのその先に
「どこに行くの?」
「ん?内緒!とりあえず駅かな」
「…まだ教えてくれないの?」
「いいからいいから」
わたしの手を引きながら、奏多はふふんと笑う。
すたこらと前を歩くその後をわたしは追うだけ。
…あくまでも着くまでのお楽しみ、ってことか。
「ゆりちゃん、今夜サンタさんに何をお願いする?」
「サンタさん…!?」
突拍子もない、奏多のお子ちゃまな質問。
今だにあの存在を信じているらしい。
「俺、タロウのお嫁さんをお願いする!」
「……へ…へぇ…」
…なんだそりゃ。
返す言葉がないです。
そんな他愛もない会話をしているうちに、15分ほどで駅に着いた。