好きとごめんのその先に
わたしたちが乗る電車はもう来ていて、発車待ちの状態。
切符を買って、1番ホームに入った。
「ねぇ、あれ…」
「ん?」
向かいのホームに、見慣れた人影。
「忠見さんだ」
「うわ、マジだ。こんな所にまでいるのかよ」
わたしの指差す方向を見て、奏多は眉間にシワを寄せる。
「女と一緒じゃん。あいつ妹とかいたっけ?」
「ううん。一人っ子」
「そっか。誰だろうな?」
「さぁ…」
彼の隣に、パッと見わたしたちと変わらないくらいの女の子。
忠見さんに腕を絡ませて、仲の良さそうな感じ。
今日はスーツじゃないからプライベートなのだろうけど…
…もしかして、彼女とか…?