好きとごめんのその先に
無邪気
「ようこそこんにちは!楽しんで行ってくださいね!」
入口のお姉さんが、チケットを切りながらそう声をかけてくれた。
門をくぐってすぐ目に飛び込んできたのは、大きなクリスマスツリー。
「うわぁーでっけぇー!」
「すごいねー」
奏多と2人、顔を真上に上げて口をあんぐり。
首が痛くなるくらいの高さ、一体何メートルくらいあるんだろう…
「今日はクリスマスだから、夜になったら園内がライトアップされるんだって。楽しみだね!」
「うん」
パンフレットを見ながら、奏多は嬉しそうにはしゃぐ。
幼い頃から変わらない、奏多の屈託のない笑顔。
そのくしゃくしゃの顔を見ると、釣られてわたしの胸も弾む。
奏多と2人の時間がこんなにも心地いいなんて。
…忠見さんとのことがなければ、改めてそう感じることはなかったかも…?
なんてね。