好きとごめんのその先に
「じゃあ…あれは?楽しそう!」
「うん、そうだね」
今度は隣のメリーゴーラウンドを指差す奏多。
あれくらいなら、と頷いて向かった。
「どうぞー!好きなお馬さんに乗ってくださいね」
数分待って、ゲートが開いた。
「俺あれに乗る!!」
そう言って、一番豪華な馬に一目散に走って行ったのは、紛れもない奏多。
「えー!それぼくがねらってたのにー」
「とられたー!」
「おにいちゃんずるーい!」
…なんて言う子供たちがぞろぞろ。
「……」
他人のふり。
…恥ずかしすぎる。