好きとごめんのその先に
記憶の奥
広い園内の一番奥にある、短い橋で繋がれた離れ小島。
そこの観覧車に向かって一直線。
奏多に引かれて、光の中を突っ走る。
「…っ」
…過ぎる景色に、なぜか心がざわざわ。
小さい頃ここに来た日の記憶が、わたしの頭の中を走馬灯のように走る。
『ママ…』
『リサ…っ!』
ざわざわ…
ざわざわ…
胸の内を、何か黒いものが巣食う。
…今まで封印していたものが少しずつ蘇るような、そんな不安と恐怖…
「…ッ待って…!!」
たまらず、咄嗟に足を止めて奏多の腕を引き返した。