好きとごめんのその先に
「……」
目を見開いて、奏多はわたしから視線を逸らさない。
「……ゆりちゃんの…せい?」
震えるわたしの手を握って、不可解な表情。
「…観覧車乗るって…、わたしがママに走れって言ったから…、体弱いのに…っ。倒れて病院行って、そのまま……。…っ」
うまくまとまらないまま、一気に言葉にする。
…蘇る事実。
ずっと眠っていた、記憶の奥の記憶。
わたしがまだ5歳にもなっていなかったあの日、ママはここで倒れ、搬送先の病院で亡くなった。
…その原因をつくったのは、わたし。
早く観覧車に乗りたくて、体の弱いママを無理やり走らせてしまったから。
わたしのせいで、ママは…
…あの日の罪悪感が、どっと押し寄せてくる。