好きとごめんのその先に
「……」
「……」
「……」
車内は無言。
窓から見えるのは、行き道とは少し違う景色。
さっき降りた駅の前を通り過ぎ、昔よりも明るくなった繁華街を通る。
少し懐かしい気がするこの道は、きっと昔の家へと続く。
わたしは穏やかな気持ちでその過ぎ行く景色を目に写す。
「…ここ。夕梨亜が小学校に入るまで住んでいた家だよ」
そう言い、車のスピードを少し下げるパパ。
「ここが…」
「……」
白い、小さな家。
…微かな記憶にある、ママと過ごした場所。