好きとごめんのその先に
いつも、明るかった。
『夕梨亜、おはよう』
『夕梨亜、行ってらっしゃい』
『夕梨亜、今日も幼稚園楽しかった?』
『夕梨亜、今日は何が食べたい?』
『夕梨亜、おやすみ』
『ママは、夕梨亜のことが大好きよ!』
くしゃっと笑うママは、まだまだ若くてまるで少女のようだった。
『えへへ、ママは強いんだよー!』
そう言ってわたしには絶対に涙を見せなかった、本当に強い心の持ち主。
…でもその体、本当はすごく弱かったんだね。
そのことにわたしが気付くことはなかった。
あんなに近くにいたのに…