好きとごめんのその先に
「…ごめんな、ゆりちゃん。俺が遊園地に連れて行ったばかりに、辛い思いをさせて…」
そう言ってわたしの涙を指で掬う奏多。
…どうして奏多が謝るの。
奏多が謝る必要、あるの…?
「…誰も悪くないよ。…奏多くんも夕梨亜もリサも、何も悪いことはしていない」
遺影を見つめながら、パパはそう言う。
そして目を瞑ってしばらく何も言わずに手を合わせた。
わたしと奏多も、もう一度手を合わせる。
『みんな、笑って。そしたらわたし、幸せだから―――』
…そう優しい声が確かに聞こえた。
その瞬間、胸がすっと軽くなったのは、…きっと気のせいなんかじゃないよね。