好きとごめんのその先に


「―――落ち着いた?」


「うん。もう大丈夫」



しばらくしてから玄関先で、心配してくれる奏多を見送る。



「今日はゆっくり休んで」


「うん。ありがとう」


「じゃあ、また」



そう言ってわたしの頭を撫で、バイバイとその手を振る奏多。



門を出たところでもう一度振り返って笑い、角を曲がって行った。






“今日はせっかくのクリスマスだったのにごめんね。でも、楽しかったよ”



寝る前に奏多にそうメールを送ったら、



“気にしないで。俺も楽しかった!おやすみ”



すぐに返事が返ってきた。




それを見て、瞼が自然と落ちてくる。



…こんなにも穏やかな気持ちで眠れたのは、すごくすごく久々のことだった。





…今日、奏多がいてくれて、本当によかった―――
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