好きとごめんのその先に
他の存在
――あれから1か月。
少し前に新学期が始まった。
お正月は、毎年恒例、パパも一緒に奏多の家でみんなでおせち。
その後は初詣に行って神様にお願い。
何を願ったのかは、奏多は教えてくれなかった。
それから忠見さんは、この時期はお仕事で地方に出張だったようで、冬休み中は一度も会わず。
時々メールをくれていたけど、返信しても次のメールは数日後だったり。
クリスマスの日の出来事を聞き心配して電話をくれた時が、唯一の会話。
案外真面目に働いてるんだなって、少し感心した。
…そんなこと、奏多にも忠見さん本人にも言わないけど。
言ったときの2人の面倒な反応が容易く想像できるから。