好きとごめんのその先に
他の存在


――あれから1か月。



少し前に新学期が始まった。



お正月は、毎年恒例、パパも一緒に奏多の家でみんなでおせち。



その後は初詣に行って神様にお願い。



何を願ったのかは、奏多は教えてくれなかった。




それから忠見さんは、この時期はお仕事で地方に出張だったようで、冬休み中は一度も会わず。



時々メールをくれていたけど、返信しても次のメールは数日後だったり。



クリスマスの日の出来事を聞き心配して電話をくれた時が、唯一の会話。



案外真面目に働いてるんだなって、少し感心した。



…そんなこと、奏多にも忠見さん本人にも言わないけど。



言ったときの2人の面倒な反応が容易く想像できるから。
< 200 / 428 >

この作品をシェア

pagetop