好きとごめんのその先に


「あの子は…俺のいとこ。
歳は夕梨亜のひとつ下で、…確か奏多くんと同じクラスだって聞いた」


「え…」



立ったまま、わたしを見下ろしてそう言う彼。



「あの子は…ミユは、身も心も、俺の全てを受け入れてくれた」


「……」


「夕梨亜の存在も知った上で、俺を慰めてくれたんだ」


「へ…へぇ…」



身も心もって…


なんて献身的な彼女ですこと。




わたしに相手にしてもらえないから他の女にって…



わたしの前で甘いセリフを吐いておきながら、他所ではちゃっかりよろしくやってるんじゃん。



…呆れる。
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