好きとごめんのその先に
心の奥では
その日の夜は、彼との距離がいつもより遠い気がした。
後ろめたさからなのか、何なのか。
珍しく、布団の中で抱きしめてこない。
…ホッとしている反面、なんだかこれはこれで気まずいような…
「…ねぇ、忠見さん」
彼の背中に向かって、声をかけてみる。
「何?」
振り向かず、背で返事する彼。
「…パパの会社、本当になくなっちゃうの…?」
「……」
「もしわたしがこのまま結婚を断り続けたら、パパはもう辞めさせられてしまうの…?」
「……」